『もう…子供みたいに、ユイを困らせたりしないよ。』
タクマはあの優しい微笑みを私に向けて、ゆっくりとリビングを出ていった。
私も力が抜けた様にズルズルと部屋に上がる。
同じ様にズルズルと鞄を床に置いて、布団に腰を下ろす。
終わっちゃった。
私がそう望んだから。
つい最近まで、10年近く繋いでいたタクマの手が、気持ちが、離れてしまった。
これで良かったんだよね?
自分に言い聞かせながら、私はそっと目を閉じた。
明日はタクマの卒業式…。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…