ずっと用意してた言葉。
「…タクマの事、弟みたいにしか思えないからだよ。タクマを傷付けたくなくて、逃げてただけ。でも、もう疲れたの。タクマももう大人なんだから、私に甘えるのやめたら?」
淡々と、心ない言葉が次々に出てくる。
一番言いたい言葉は、これっぽっちも伝えられないのに…。
「嘘だね。」
いつになくタクマが強気だった。
ぐっと、タクマの拳に力が入ってる。
「タクマ、だめだよ。やめようよ。」
ダンッ―
いきなり、力の入ったタクマの拳がドアを静かに、そして重く鳴らした。
「ユイの曖昧な態度に…俺は縛りつけられてる…。どうせなら、はっきり言ってよ?」

