家の前の道で、背の高いスーツ姿のタクマが車のドアを開けてようとしいた。
勢いよく玄関を出た私の物音に、タクマが気が付いて振り返ってくれた。
「…っ。タクマ…!」
言いたい事がたくさんあるのに、
聞きたい事もたくさんあるのに、
私はタクマに駆け寄って思い切り抱き付く事しか出来なかった。
精一杯の背伸びをして、タクマの首に腕を絡める。
「ユイ…!?」
街灯の、わずかな光だけが私達を照らす。
すぐに腕を解いて向かい合っても、涙で滲んでタクマの顔がよく見えない。
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