‐紬(つむぎ)が亡くなってしばらくした後も、喜々良(ききら)はマトモに食事が取れなかった…。

健悟(けんご)はそんな喜々良を見て、放っておく事など出来ず、調理室の鍵を借りて、給食の白米で喜々良にお粥を作った。

お粥なら、喜々良は食べられたからだ。

「健悟、ありがとね」

喜々良は弱々しく笑う。

「今はしょうがないべ」

健悟は紬の事はあれから触れなくなったが、

「あ、今日、つむちゃんの月命日だよ」

喜々良から紬の話をした。

「大丈夫か?」

「大丈夫だよ!
放課後、つむちゃんの好きなお菓子を買ってお墓に行こ?」

無理をして笑う喜々良に、健悟は胸が痛くなった。