「おい、もう帰ろうぜ」

ウンザリと言う表情で、健悟(けんご)は喜々良(ききら)を見た。

炎天下の下、健悟と喜々良は学級委員の紬(つむぎ)に頼まれ、グラウンドの石などを拾っている。

「ガキンチョじゃあるまいし、わざわざこんなんどかさなくても転ぶわけがないから」

健悟はそう言うと、伸びをした。

本来なら、これらの仕事は学級委員である紬の仕事なのだが、紬は放課後になった途端、慌てて帰って行った…。


‐「結婚したいは嘘だったの!?」

一方、ヒステリック気味に叫ぶのは紬。

「つむちゃん、落ち着いて?
それより本当なの?
妊娠したって…」

紬の彼氏・篠原 蒼樹(しのはら そら)は戸惑っている。

「本当だよぉ」

先程とは違い、泣きそうな紬。

「蒼樹君、どうしよぉ」

「つむちゃん」

蒼樹は優しく紬の名前を呼ぶが、

「俺の子どもじゃないでしょう?」

残酷な言葉を言う。