「俺はそんなことないと思いますけど」
泣きそうになる私に向かって、深雪くんが言った。
「俺はあると思いますよ。運命ってやつ」
「……!」
ものすごく意外すぎて、思わず深雪くんの顔をじっと見てしまう。
深雪くんは真顔だった。
「意外すぎる……」
「今日も運命だと思いましたし」
「今日?」
「晴瑠さんが失恋してシフトに入ってくれて」
「な……っ!」
慰めてくれるのかと思ったら、思いっきり失恋って言われてグサッとする。
「ひ、ひどい」
「なんで?俺的にはラッキーです。だからこうして晴瑠さんと一緒にいられるから」
え…………?
ど、どういうこと……?
「晴瑠さん、去年駅で倒れかけてたおばあさん助けてくれましたよね?」
「えっ……」
急になんでそんなこと聞くのかと思ったけど、確かに助けたことがある。
駅の階段近くで苦しそうにうずくまってるおばあさんがいて、声をかけた。
身内に連絡して欲しいと言われたから私が代わりに電話をかけたっけ。
「その時迎えに来たの、俺です」
「ええっ!?」



