キキィー

バンッ。

目の前で人が倒れた。

その人は僕の大切な恋人だった。

頭が真っ白になって気づいたら家にいた。

僕はどうやって家に帰ってきたのかさえわからなかった。

「ありさっ」

さっきまで靄がかかったような脳が一瞬にして晴れた。

そうだ、ありさは車に轢かれて。

スマホを開き、連絡先から清水ありさの名前を探す。

普段、直接話すことが多いから探さないと見つからない。

「あった。」

見つけたありさの名前をタップする。

-おかけになった番号は、電波の届かないところにい

ブツッ

でなかった。