イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。

「ウッス。俺たち大成と同じサッカー部の一年です」
 
「やば、初めて近くで見た」「イケメンっすね!」

「よく言われるーもう耳タコー」
 
 依澄くんのゆるい返しに皆んなが笑った。

 依澄くんってすぐ友達できるタイプなんだろうなぁ。

「赤澤くんの話は大成からよく聞いてるよ。中学んときサッカー部だったんでしょ?入んないの?」
 
「うん。入んない」

 依澄くんは笑顔を崩さずに何の迷いもなく即答した。

「えー!なんで?」

「めんどいから」

 依澄くんの笑顔が、心なしか曇ってるように見えた。

「依澄、お前さ……」

 大成くんが真剣な表情で依澄くんに何か言おうとした、その時だった。

 大成くんが依澄くんの後方に何かを見つけてハッと目を大きくさせた。

 皆一斉にその視線の先を追うと、そこにはアイドルみたいに可愛い女の子がいた。


「え……大成……依澄……?」


 その子が目を丸くして言った。


「…………ララ」


 依澄くんが小さく呟いた。