「あーれれ~?」

 ニヤニヤした茉穂ちゃんが私の顔を覗き込んだ。

「もしかして沼ってきてんじゃな~い?」

「っ、え!?」


 ギクッとした私は少し後ろにのけぞる。


「いいよいいよー素直になっちゃいなよーぅ」

「う、うーん……」


 正直に言う。 私はもう、依澄くんの沼にどっぷりはまってしまってると思う。


 お試しで付き合ってから、色んな依澄くんを知った。

 基本ふわふわゆるーい人に見えるけど、好き嫌いがはっきりしてて、マメそうに見えて実はめんどくさがり屋だったり

 他の女の子がいるときほどさりげないスキンシップが増えるのは、嫌な内緒話を私に聞かせないためで

 たまに子供みたいないたずらをしては、大人みたいな優しい顔をする。

 強引なときもあるけど優しくて、かしこくて……かっこいい。

 そして、甘い。 トロトロに甘い。

 甘くて、甘すぎて、すぐに私はいっぱいいっぱいになってもう無理ってなるのに

 いざバイバイしていなくなると、すっごく寂しくなる。

 依澄くんと早く会いたいなぁって思っちゃうし、連絡が来ると飛び上がるほど嬉しくなる。

 これってやっぱり……