「依澄くん!お願い!離して……!!」

 恥かしすぎて顔から火が出そう! てか出る!!

「別にいいじゃないですか、減るもんじゃないし」

「へっ……らないね、確かに!」

「そうやってツッコみきれずに肯定しちゃうとこも好きです。先輩。今日はこのまま学校サボりません?」

「え!?だっ、駄目だよ……!」

「ですね。そう言うと思いました、好きです」

「!?っ、!?」


 周りの視線も、抱きしめられてる温もりや耳元に何度も聞こえる〝好きです〟も、どれも脳が処理しきれずにパニックになる。

「……あの、赤澤くん。彩美が甘さで溺死しそうになってるからそろそろ離してあげてくれるかな……?」
 
 トモちゃん! さすがトモちゃん! みんなのママ! 
 
「溺死させにいってるんですよ」

 えっ 

「この1カ月で先輩には俺なしで生きられないくらいになってもらわないといけないんで」

 依澄くん、今なんて?

「……あーねー」

 トモちゃん! そこで引き下がらないで!

「そうだ。今日も放課後、彩美先輩もらってってもいいですか?てか毎日貰っていいですか?」

「あっ、どーぞ」

 茉穂ちゃん~~~!!