やっぱり、依澄くんが私を好きになるなんてありえない。

 依澄くんが何を考えてるのかわからないけど、できればなんとか許してもらいたい。

 なんとか穏便にお願いしたい……っ!


「あー……そうなる」

 依澄くんの小さなぼやきが聞こえた直後、地面だけ映していた視界に白いスニーカーが入ってくる。

「顔上げてください、先輩。謝るのは俺の方です」

「……!」

 
 〝やっぱり罰ゲームでした〟

 そう言われる覚悟をして顔をあげると、真剣な眼差しの依澄くんと目が合って、ドキンと心臓が跳ねた。

 
「図書室では強引なことしてすみませんでした。先輩が他の男と仲良さそうにしてるの見て、つい。カッとなってやりました」

「……へ?」