その村には電柱の修理をするおじいさんがいます。おじいさんは修理の依頼がくるまですることがありません。おじいさんは独身で一人暮らしです。でも心優しいおじいさんなので周囲の人から慕われて幸せに過ごしていました。
ある日のことです。おじいさんに一つの依頼がきました。それは村の外れにあるボロボロの家からでした。そこの家に住んでいる老婆は村の人から嫌われていて、生きているか死んでいるかすらわからない人でした。それに、あの老婆は魔女だという噂もあります。そんなところから依頼がきたものですから、おじいさんは心底怖くなりました。でも困っているというのであればどんな状況でも助けてあげたいとおじいさんは思い、行くことを決心しました。
どのくらい歩いたことでしょう。おじいさんが家を出てからかなりの時間が経っています。もうあたりは夕焼けに染まってしまいました。
「小さな村なのにこんなに遠いものか。」
おじいさんは疑問に思いました。でもそんなこともつかの間、目の前にボロボロの家と手招きをする老婆が見えてきました。