ジュリアスに馬車の中で言った告白は、私の嘘偽りない本音だった。

 元の世界に居る家族は、別に仲が悪い訳じゃない。ただ、無関心同士だ。幼い頃は違ったかもしれないけど、親に愛された記憶は薄い。

 というか、深夜に帰宅する共働きの両親と学生の私とは、全然時間が合わなくて会話する機会もあまりない。目に見えてグレてないだけ、褒めて欲しいと思っている。

 現在大学生の私に差し迫るリアルは、目に見えぬ誰かに常に急かされて競争させられているような現代社会だ。

 厳しい受験戦争を終えて、大学に入っても、次は厳しい就職活動。親切な先人の知恵を借りたところで、希望した大企業の内定を勝ち取るのは自分しか居ない。