「ええええええっ……! 嘘でしょう……嘘でしょう! やめてやめて!!」

 その瞬間、ぱあっと白い光が散って呆然としてしまった。今、目にしていた光景が、私はとても理解出来なかった。

 ジュリアスの背中へと斬りかかったエセルバードの剣が、まさかのポッキリと折れてしまった!? カランと落ちた刃は、ふわっと光って消えた。

 えっ……聖剣っぽい……聖剣っぽいけど、そんなこと言っている場合じゃないことは確か!!

 剣が折れると同時に私があげたジュリアスの指輪が光ったみたいなので、指輪に護られたから聖剣はぽっきりと折れてしまったみたい。攻撃してきた敵の武器無効化ってすごい……すごいけど、この後一体どうするの?

 嘘ー! 嫌だ。信じたくない! 聖剣ないと、魔物に留め刺せないんじゃないの!?

 待って……待って。けど、私の主な目的であるジュリアスの無事は守れた。

 けど、あの魔物倒せないと世界が滅ぶから=結果的に守れてない。ここ!! だって、この世界の人が全員死んじゃう!!

 嘘っ……止めて。やだ。冗談でしょう……?

 エセルバードも残された折れた剣の柄を持って、愕然としていた。

 斬られかけたジュリアスは激しさを増す戦いの中で、そんな彼に何かを言う時間も惜しいと思ってか、目の前の敵へと攻撃を続けているようだ。