リュックにつけているキーホルダーを、なんとなく指先で撫でながら、帰るタイミングを見計らっていると。

「水城さん」

潤さんは穏やかな口ぶりで、私に声をかけてくる。

顔を向けると、

「甘いものは好き?」

彼女はにこりと微笑んで、一緒に帰ろうと誘ってきた。