別れさせ屋の仲間になった私の結末

「……っ、あ!」

復唱されて、改めて、あ然となる私。

なんで、はっきり言っちゃったんだろう。並木だと言い切らなければ、テキトーに誤魔化すことだってできたはずなのに。

「や、並木は……別に」

今更言い直したって意味がないのだろう。

現に、キングはシラケた表情で、言い訳を口にした私を眺めてる。

ごめん、並木。

心の中で謝ると、キングはやれやれというかのように背筋を伸ばし、胸の前で腕を組む。

「まー、わかってたけど。急に手伝うとか言い出すなんて、何かを知ったからなんだろうなって。……最近は並木とも仲がいいみたいだし」

キングはそうつぶやくと、ポケットで震えるスマートフォンを出して、ディスプレイを眺めはじめる。

「……怒ってないの?」

以前、約束もしないで図書室へ押しかけたとき、ルールを破ったことを叱られた。

今回も同じように言われてしまうのかなと構えていたのだが……。

「んー。まぁ、他人(ひと)の口なんて信じてねぇからな。ルールを作っても破るやつは破るし」

誰をも信用していないと言うかのような言葉を口にされてしまうと、少し悲しい。

破ってしまった立場で言えることではないけれど、できれば、この先はキングが信頼を置く相手になりたい。