別れさせ屋の仲間になった私の結末

「なぁ、水城? 手伝うとか言ってたけど、何をどう手伝うの?」

優しい口調。急に微笑みかけられたことで、私の胸はきゅっとしめつけられた。

「何をどうって……。そりゃ、ターゲットの情報収集とか、私のときみたいに……」

「ほう。私のときって?」

「それは並(なみ)……。あっ……」

クラスメイトで、美奈の彼氏の友人──並木(なみき)の名前を口にしかけた瞬間、私はハッとする。

依頼した頃、キングからいくつかルールを出されていた。その中に、別れさせ屋に関することは絶対に他言しない、というものがあった。

そして、

“これも絶対に言わないでね”

同じ依頼主の経験を持ち、私の情報をキングに流していた並木からも、そう口止めされていた。

「……なるほどな。やっぱアイツの入れ知恵か」

慌てて口をつぐんだけれど、苗字の最初の2文字を口走ってしまったことで、キングの頭にはもう並木の姿が浮かんでいる。

「並木は悪くないの! 並木は私を心配してくれただけで……! 手伝うってことを考えたのは、私だから!」

彼が責められたりしないよう、急いでかばうと、キングはひじをついたまままぶたを下ろし、ぽつりとつぶやく。「ナミキ、ね」と。