別れさせ屋の仕事を手伝うためにと、自分なりに用意した様々なグッズ。

「ネットで調べてみたら、キングがつけてるような自然なウィッグって、安くても数千円はするんだよね。今月はちょっと厳しいから、これで代用」

実際に被ってみる、パーティーグッズのコーナーで見つけたカミナリ様のカツラ。

「……ツノついてんじゃん。髪も真っ赤で逆に目立つだろ」

「っ、確かに目立つけど……。じゃあこれは? メガネとサングラスと、お面!」

ダメ出しをされた私は、慌ててメガネをかけてみる。

「レンズなしって……」

「サングラスはレンズあるよ!」

「フツーに怪しい。変装になってない」

メガネからサングラスへとつけかえてみたけれど、キングはくだらないというかのような態度で、私の顔を見てもくれない。

「せっかく買ったのに……」

口をとがらせるとその様子がおかしいのか、素っ気なかったキングが、ため息をつきながら笑みをこぼした。

「仮装じゃん。なんだよ、これ……宇宙人の
お面?」

「……正体不明なんだから、顔を見られないようにするために必要でしょ?」

ダメ出しの連続でしょぼくれていると、お面を自分の顔に合わせていた彼は、それをテーブルに戻してから、ひじをつく。