今日も1日、この時間が来るのを待ちわびていた。
「あっ、マチ!」
放課後を迎えてすぐにリュックを背負った私──水城舞千佳(みずきまちか)の元に、親友の美奈(みな)が駆け寄ってくる。
「今日この後さ……」
「あー、ごめん。今日も別で帰ってもいい?」
遊びに行こうと誘われる予感がして、すぐさま両手を合わせ謝った。
「……いいけど。あのさ、アイツらと一緒に帰るのが嫌なら、ちゃんと言ってね? 私、マチとふたりで帰るから!」
美奈はどうやら、私が断るのは、最近一緒に帰るようになった彼女の彼氏とその友人たちのせいだと思っているみたい。
私は、顔色をうかがう美奈の肩に手を置いて、にっこり微笑みかける。
「寺尾(てらお)たちが一緒なの、全然、嫌じゃないよ。むしろ、ありがたいくらい」
「……え?」
あ……。ありがたい、は余計なひと言だったな。
美奈の疑問を抱く表情を見て、急ぐ気持ちを抑えきれず、言葉に配慮がなかった自分を反省する。
「とにかく、大丈夫だから。予定がない日は一緒に帰るし、遊びにだって行くから」
「……それなら、いいんだけど」
しぶしぶといった様子で引き下がる彼女に、再度微笑みかける私は、「また明日ね」と言葉を置いて、教室を飛び出した。
「あっ、マチ!」
放課後を迎えてすぐにリュックを背負った私──水城舞千佳(みずきまちか)の元に、親友の美奈(みな)が駆け寄ってくる。
「今日この後さ……」
「あー、ごめん。今日も別で帰ってもいい?」
遊びに行こうと誘われる予感がして、すぐさま両手を合わせ謝った。
「……いいけど。あのさ、アイツらと一緒に帰るのが嫌なら、ちゃんと言ってね? 私、マチとふたりで帰るから!」
美奈はどうやら、私が断るのは、最近一緒に帰るようになった彼女の彼氏とその友人たちのせいだと思っているみたい。
私は、顔色をうかがう美奈の肩に手を置いて、にっこり微笑みかける。
「寺尾(てらお)たちが一緒なの、全然、嫌じゃないよ。むしろ、ありがたいくらい」
「……え?」
あ……。ありがたい、は余計なひと言だったな。
美奈の疑問を抱く表情を見て、急ぐ気持ちを抑えきれず、言葉に配慮がなかった自分を反省する。
「とにかく、大丈夫だから。予定がない日は一緒に帰るし、遊びにだって行くから」
「……それなら、いいんだけど」
しぶしぶといった様子で引き下がる彼女に、再度微笑みかける私は、「また明日ね」と言葉を置いて、教室を飛び出した。



