そうして迎えた翌日の放課後。
“ええー! ウルーってば人選ミスじゃん。なんで相良をつけたんだろぉ?”
図書室へ向かう間、私は昼休みの美奈との会話を振り返っていた。
“態度? 別に態度は悪くなかったと思うけど、絡みづらくない? 顔も隠れてるし、喋らないじゃん”
昨日みたいな態度は毎回なのか気になっていたのだけれど、どうやらそうではないみたい。
美奈は苦手なタイプだと言っていた。
「……いた」
図書室の後ろ側のドアから入って、数歩進んだところから窓際のテーブルを見ると、今日は猫背でぽつんと座っている。
向かいの席へ行くと、今回もやっぱり足音で気づいていたのだろう。突然現れた私に驚く様子も見せなかった。
彼は「こんにちは」と声をかけた私に、小さくうなずくだけ。
普段と違う、真面目な生徒を演じる彼にニヤニヤが止まらない。



