──私たちが通うこの高校では、一昨年まで、文化祭と体育祭が2年に1度のペースで行われていた。

つまり、文化祭と体育祭の経験回数が、学年によって違う状態だったのだ。

毎年行われている学校へ通う生徒からすれば、その点に違和を感じるのかもしれないけれど。

私を含め、ほとんどの生徒はそういう学校なのかと仕方なく受け入れるだけ。

そんな中、昨年の生徒会選挙で、潤さんは……。

“現在、予算の問題で毎年開催できないという状況のようですが、他校でできていることを当校でできないわけがない”

毎年、文化祭と体育祭を行える学校に変えることを公約にあげ、会長にと立候補した。

それまでにも同じことを口にして会長になった生徒はいたらしく、その年はふたつ開催されていたと聞くが、どちらかが小規模で済まされ、翌年には行われないという結果に。

みんな、毎年なんて無理な話だろうと諦め、翌年のことまで考えていなかったと思う。

それでも、在校中に2度行われる年があるのならと期待して、彼女に票をいれていた。

一般公開がない小規模な文化祭でもいい。半日だけの体育祭でもよかったのだ。何か特別な1日がほしかっただけ。

なのに、彼女は見事に公約を成し遂げた。