ただでさえ穂夏を奪われたことでイライラしているのに、こいつまで何かしてきたら

暴走してしまう。

さっさと吐かせたい……。

「そうでした。……次期魔王レオ、お前の恋人は私が奪った。取り戻したければ

十二月二十四日の午後三時にあの場所へ来い。……と、私からは以上です」

それだけ言い残して狐族の男は帰っていく。

こいつは……誘拐を企てた犯人じゃないのか……。

とすると……。

「あの場所って…なんなんでしょうね……」

「ええ……でも、レオはわかってるみたいね」

……。