「そっかぁ……こっちにはクリスマスはないんだね……」

こっち、と言うのはここ、魔界のことで、私は半年ほど前に普通の世界から魔界に

意図せず飛ばされてしまった。

それも、次期魔王であるレオの上に。

まあ、実際は受け止めてもらえたんだけど……。

それから私は、帰り方がわからず、レオにお世話になっている。

「あぁ、聞いたことがないな」

落ち着きを取り戻したのか、レオがいつもの表情に戻る。

「で、そのくり……すます……?はどんなものなんだ?」

そ、そんなに言いにくいかな……?

そう思いながらも、自分の知っているクリスマスを思い浮かべる。

「えっと……クリスマスは、サンタさんが子供にプレゼントを……」

「サタン……?悪魔……?楽しいのか?それ」