吾輩は猫で秋の夜、廃校の裏に広がる墓地には、ひっそりと幽霊たちが住み着いていた。彼らは夜な夜な活気づくレクレーションを楽しんでいたのだ。

しかし、この墓地では幽霊たちと妖怪たちの間で、一つの問題が勃発していた。それは、墓地の使用権を巡る争いだった。幽霊たちは墓場で運動会を開きたいと願っており、夜行性の彼らにとっては最適なイベントだった。一方、妖怪たちは文化祭を開催したいと主張していた。

幽霊たちは妖怪たちに譲歩を求めるが、妖怪一族の代表であるドラキュラは昼間の開催に異議を唱えた。彼はボジョレーヌーボーをふるまうために世界中から妖怪を招待しており、文化祭を開催することに固執していたのだ。

しかし、幽霊たちには深刻な事情があった。彼らは影が薄すぎてこのままでは消えてしまうのではないかと危惧していたのだ。運動でもしてスタミナをつけなければならない。そこで、幽霊たちは最後の切り札として「文化祭禁止霊」を繰り出し、妖怪たちにけしかけることにしたのだ。
だが、「文化祭禁止霊」とは一体なんなのか。 その正体は。それは呼び出された本人にもよくわからない。
「私はどうしてここにいるの?」
体育館裏の枯れ柳に少女が佇んでいた。
秋も深まり、空気が澄み渡ってきたある晩のこと。
俺は夜の散歩に出かけていた。動画を見飽きて何だか寝付けなくて暇を持て余していたところ、ふと思い立って外に出かけたのだった。

空を見上げると雲一つない満天の星空が広がっていた。こんなにも綺麗な星を見たのは初めてかもしれない。そういえば子供の頃、夏休みになると祖母の家に行って一緒に田舎の夜空を眺めていたことを思い出した。都会育ちの俺にとってそこはまるで別世界のようであり、いつもワクワクしながら祖母の話を聞いていたものだ。
しばらく歩いていると、少し先の方で何かが動く気配を感じた。誰かいるのかと思って目を凝らすと、そこには一人の女性が佇んでいた。真っ暗なので顔はよく見えなかったが、黒い水着らしきに半そでシャツを羽織って赤いバンダナを巻いている。
季節外れの服装に動画配信者の雰囲気を察した。どこのチャンネルだろう。
俺はカメラ探した。しかし気配はない。
彼女は両手を地面につけ、何かをしている様子だったが、よく見るとどうやら土下座をしているらしいことがわかった。