「い、痛い! 痛い、痛い、痛い!」
人差し指を思い切り反らす。ギブアップとばかりに浅田さんは片方の手を上げ、見ているこちらへも痛みが伝わった。
「姫香に謝罪しろ」
「なっ、僕は間違った事は言ってなーー」
「もう一度、言う。姫香に謝れ。俺はな、イタリアから日本へ戻ってくる間、お前とお前の会社についてじっくり調べた。この意味が分かるよな? 俺を敵に回して無傷でいられると思うなよ?」
低い声で忠告し手が離されると、浅田さんがへなへなその場へ座り込む。
「さぁ、言え」
冷たい目で見下げ、促す。私には見せたことのない厳しい表情だ。
浅田さんは戦意を喪失した眼差しをこちらへ流す。それでも唇は謝罪を躊躇い、わななく。
「私は謝罪して頂かなくても……」
「なら、姫香はこの男に何を望む?」
「え、望み?」
「謝罪を要求しない代わり、何をさせたい? これが最後なんだ。彼も姫香のお願いをきいてくれるはずさ。なぁ、そうだろう?」
打って変わり、にこやかに同意を求める斗真さん。しかし浅田さんは直視出来ない様子。尻尾を掴まれたみたいに強張る。
私も浅田さんが正攻法で業績を上げているか疑い、それとなく探った事もあった。しかし不正の事実や女性問題を暴くには至らず、斗真さんの調査能力の高さに感服だ。
「私が浅田さんに……」
考えを巡らせるまでも無かった。
「私と別れてください、婚約を破棄して欲しいです!」
人差し指を思い切り反らす。ギブアップとばかりに浅田さんは片方の手を上げ、見ているこちらへも痛みが伝わった。
「姫香に謝罪しろ」
「なっ、僕は間違った事は言ってなーー」
「もう一度、言う。姫香に謝れ。俺はな、イタリアから日本へ戻ってくる間、お前とお前の会社についてじっくり調べた。この意味が分かるよな? 俺を敵に回して無傷でいられると思うなよ?」
低い声で忠告し手が離されると、浅田さんがへなへなその場へ座り込む。
「さぁ、言え」
冷たい目で見下げ、促す。私には見せたことのない厳しい表情だ。
浅田さんは戦意を喪失した眼差しをこちらへ流す。それでも唇は謝罪を躊躇い、わななく。
「私は謝罪して頂かなくても……」
「なら、姫香はこの男に何を望む?」
「え、望み?」
「謝罪を要求しない代わり、何をさせたい? これが最後なんだ。彼も姫香のお願いをきいてくれるはずさ。なぁ、そうだろう?」
打って変わり、にこやかに同意を求める斗真さん。しかし浅田さんは直視出来ない様子。尻尾を掴まれたみたいに強張る。
私も浅田さんが正攻法で業績を上げているか疑い、それとなく探った事もあった。しかし不正の事実や女性問題を暴くには至らず、斗真さんの調査能力の高さに感服だ。
「私が浅田さんに……」
考えを巡らせるまでも無かった。
「私と別れてください、婚約を破棄して欲しいです!」

