「カンナ……?」
「私、カンナじゃないです! ひ、人違いではないでしょうか!」
「なに馬鹿なこと言ってんだよ。好きな女の顔を忘れるわけねえだろ」
し、刺激が強すぎる……!
あまりにも顔の良い男が真剣な表情で私に『好きな女』と言い、不覚にもドキドキしてしまう。
「でも私はあなたのこと、存じ上げません……! 名前もカンナではなく乙葉って言いま……きゃっ⁉︎」
私は真実を語ろうとしたけれど、男は私の肩を強引に掴む。
「どういうことだ? 俺のことを知らないって……」
驚きと、焦り……男の表情は複雑そうだった。
けれど本当に知らないのだ。
「そ、そういえば……襲ってきた男も私のことを知っているような口ぶりでした……」
先程の男といい、目の前のイケメンといい、いったい何が起こっているのだ。



