話をしたかったけれど、口も塞がれて話せる状況ではなく、男はそのまま車を走らせ……無法地帯の区域へと入っていった。
男は廃工場の中へと入っていき、そこに用意された簡易ベッドの上に私の体を投げる。
自由の効かない体はベッドへと倒れ込んだ。
「俺ひとりが楽しむのは申し訳ねえから、俺以外にもお前に騙された奴を呼んでんだ。今からお前は集団でヤられて、その様子を動画で撮られて晒されるんだ。おめでとう、嬉しいだろ?」
この男、本気だ。
どこか狂気じみた目にゾッとする。
何度も首を横に振って抵抗しようとしたけれど、不自由な体では限界があった。
「おっ、来たみたいだな」
近くでエンジン音が聞こえ、男は嬉しそうに話している。
本当にこのまま私は男たちに犯されるの……?
何もしていないのに、私は……。
「おい、こっちだ……ぐっ⁉︎」
恐怖で目をギュッと閉じながら体を震わせていると、突然男が呻き声をあげてその場に倒れた。
思わず顔をあげると、そこに立っていたのは……息を呑むほど美しい男だった。
黒いスーツ姿の男は、ゆっくりと私に近づいた。
敵なのか、それとも助けてくれた味方なのかわからず、ただ震えるばかり。



