目が覚めると、見知らぬ天井が視界いっぱいに映った。

「……へ」

 勢いよく起き上がると、私は誰かの寝室にいた。
 大きなダブルベッドはふかふかで気持ちよく、一流ホテルに負けず劣らずな気がする。

 寝ぼけていた私はゆっくりと状況を整理し、昨日のことを思い出した。

 そうだ、私……昨日無法地帯の男集団に襲われそうになったところを、朔夜さんという謎の美青年に助けられ、冬休みの間は彼の家で過ごすことになっなのだ。

 昨日はあまりに濃い一日で疲れていたのもあり、お風呂に入ってすぐ寝た記憶が蘇る。

「それにしても豪華な寝室……そういえばお風呂もすごかったな」

 ここは朔夜さんの住む家のようで、古びた外観からは想像できないほど、この地下にある家は豪華絢爛だった。

 じっとするのは落ち着かず、ベッドから降りると、突然寝室のドアが開いた。

「……起きていたのか」

 朝から心臓に悪いほどかっこいい朔夜さんが現れる。
 昨日の危なさが垣間見えるスーツ姿から一転、シャツにズボンというラフな姿は、爽やかで絵になる。

「あ……おはよう、ございます」
「……ああ。昨日はよく眠れたか?」

 イケメンで優しく、気遣いもできるとは完璧だ。
 それだけで胸が高鳴ってしまう。