「今日もさみー、」

電車の中が暖かく心地が良かったのとは裏腹に、下界は雪がチラつき、時折冷たい風が吹き付けた。

《いま久遠着いたからもう少しで着くよ》

《大遅刻だわ。もうHRおわってるよー》

《ガチ草》

《ここで草生やすんじゃない。早く来なさい。マフユ。》


「はいはい。いま行ってるよ。」


でももしも、あの人が「性格直せ」などと言ってきたのなら、私は少し考えるのかもしれない。



「あ。」



私は足を止めた。駅前にいたのは、私が気になっていると言った男の人。

今日は珍しく、スマホをいじっていた。

私は、話しかけようか迷ったが、

普通に考えて全く知らない人から急に話しかけられるほど怖いものは無いだろうと思い、すぐに視線を逸らし、学校へ向かった。