席替えが終わって、次は後期の委員会決め。
僕は前から目を付けている委員会があって。
それは…学習委員会。
仕事内容は、テスト時の予想問題作成や家庭学習の呼びかけのみ。
理由は、学習委員会は年中仕事があるわけじゃないから。
委員会に入ると内申点が上がるし…。
「じゃあ次は…学習委員やりたい人!」
「はいっ」
実は、風花と一緒の委員会に入ろうと約束していた。
2人で手を挙げる。
クラスを見回して、他に手を挙げている人がいないか確認。
えーっと?
……僕と、風花と…よっしゃ!いない!
「じゃあ、凪沢と六里(ロクリ)で決定ね」
そう言って先生は学習委員会の下に僕らの名前を書いた。
っしゃあ…!
後ろを振り向いて、ガッツポーズをする。
先生が学習委員会の上の点に黄色のチョークで二重丸を書いたのを見届けて、ウキウキで外を眺めていると。
「先生、三嶋さんが手ぇ挙げてましたぁ」
クラスのお調子者、宮山正樹(ミヤヤママサキ)が言う。
…って、は?
三嶋!?
「え?そうなのか、三嶋?」
「はい、そうです」
いやいや嘘だろ!
僕が見た時は絶対挙げてなかったって…!
「先生、正樹が嘘ついてる可能性もありますよね?しかももう決定してるんだから、もういいと思います」
雪がフォローを入れてくれる。
ナイス雪!
「うーんでもなぁ…」
考え込む先生。
待って、まじで三嶋とは学習委員やる気ないって…!
焦って先生と風花を交互に見ていると。
「よし。お前らじゃんけんしろ。それで平等だ」
えぇぇぇえ!
最悪まじで…三嶋ふざけんなよ降りろ。
そう思いを込めて三嶋を睨みつける。
「最初はぐー、じゃんけんぽいっ」
僕と三嶋がチョキ、風花がパー。
「風花ぁぁぁ!」
「ごめん…」
はぁ…。
決まってしまった以上、もう譲ることは出来ない。
「よろしく」
淡々とそう口にする三嶋。
「ざけんな」
ボソリとそう呟いて、机に突っ伏した。