「ふぁぁあ」

「ふぁぁ」

次の日、未那のあくびにつられて私もあくびをする。昨日の二葉くんとの話をしたら自分のことのように喜んでくれた。ほんとうに優しい。

それに、未那はすごく大人っぽい。私が何を言っても否定しないで、まずは認めてくれる。それから未那自身の意見を言う。

遊（ゆう）とは正反対だ。遊は小学生からの幼なじみ。私の大嫌いな幼なじみとは別の幼なじみだ。ヤンチャで、投げやりで、心配性で、たまに優しくて。

そんな遊に、一時期恋をしたことがある。その時は、私になんか似合わないと思って諦めた。

でも後悔はしていない。
こんなに優しい二葉くんに出会ったんだもの。

そのとき、前から誰かがぶつかってきた。

「痛ったぁ、気をつけろよ。」

いや、私も色々考えてたのが悪いけどさ…。その言い方はないって。

私の前に現れたのは美人だけど、目つきが悪い女の先輩だった。リボンの色が違うことから二葉くんと同い年と理解する。

「紗奈、大丈夫？」

未那が小声で聞いてきた。

「うん、ありがとう。」

私も小声で返事をする。