その出来事から、私はずっと笑うようにしていた。決して、天気を操らないように。
人の笑顔を、操らないように。

天気は人の気分を変える。晴れたら人は自然と笑顔になる。晴れてたら朝起きた時、生まれて来てよかった、とさえ思う時だってあるのだ。

それほど、天気は人を操れる…わたしのこの手で人を操れるなんて、怖くて何もできない自分が馬鹿馬鹿しい。

だから私には笑うことしかできない。笑顔でいると、気持ち悪い、とか、怖い、とか色々言われて来たけど、そんなの平気。

全国の人の笑顔を操るよりは全然怖くなかった。だから、笑顔を大切にし、天気を崩さないようにして来た。

ここで泣くわけにはいかない…。お母さんがいなくなって、久しぶりに夢を見たくらいで泣く私でいたくない。

もう天気を崩さないって決めたの。ずっと。