~30分後~

「話聞いてくれて、本当にありがとう。」

「おう、ほんとに送っていかなくていいのか?」

「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

「おう、じゃあな。」

「ばいばい~!」

夏だし、あんま暗くないし、家にまで入れてもらったんだから1人で帰れる。

「紗奈!!」

歩き出したところを遊に呼び止められ、振り向いた。

「ん?」って言うかわりに首を傾げて見せる。

「またなんかあったら、相談しろよな!」

一言いい、遊は私にブイサインをして見せた。

まだ道路には人が少なからずいたが、ヘラッと笑った遊の笑顔は輝いてて、2人だけの空間みたいだった。

まだ私は、この気持ちの名を知らない。