「そんなあんたにご褒美で~す!じゃーね笑」

ガチャン

「…は?」

え?何?ガチャン?嫌な予感しかしないんだが?

先輩に突き飛ばされ、座っていた体に力を込める。
「うっ、」

何これ、足めちゃ痛いんですけど?!
「…もしかして」

くじいた?

「…最悪、」

壁に手をかけなんとか立った。ドアに手をかける。ガチャ、ガチャガチャ…

「あ、開かない…」

やりやがった、あの香菜ってやつ…。そう、この教室は中からでも外からでも鍵がかけられるのだ。

だが、中から鍵が開けられなくなってしまったという先生の報告を思い出す。壊れていて、だから使われていなかった。

「あぁ〜最悪…」
この教室に来たときから普通気づくでしょ。閉じ込められることぐらい。

そう思いながら自分を叱る。叱ったって意味はないけれど。ガチャ、ガチャ…。だめだ、開かない…。

「…ぅ、」

静まり返った教室を見渡す。窓からみえるのは曇りの空。

それをみてやっと自分の気持ちを理解する。泣きそうなんだ、私。泣いたって意味なんかないのに。

「助けて、…二葉くん…、」