クリスマスまでに君を

それからは、いつもみたいに深冬くんに告白することができなくなっていた。

このまま、諦めたくない。

クリスマスを深冬くんと一緒に過ごしたい。
彼氏になってほしい。

そう思う気持ちは変わらないけど、傷つくことが怖くなった。


今更だけど、私は何回も深冬くんに振られてるし……。

それに一番は深冬くんと大森さんが一緒にいるところを見るのが辛い。


たまになにか言いたげな顔をして深冬くんが話しかけてくることがある。

だけど、避けてしまっている。

はぁ~。


「大森さんが来てから人が変わったみたいに暗くなったわねぇ~。」

「………沙里」


明るいのだけが私の取り柄なんだからって。
明るくありたいって思うんだけど無理だ。


「まぁ、確かに毎日あんな様子見せられたら愛冬だって気にするわよね。」

「もう、何日も深冬くんと話してない……。」


「それはあんたが避けてるからでしょ。」


それはそうだけど……。

楽しみもないし、明るい気持ちになれないし。


ため息をつくと、沙里がこそこそと耳打ちしてきた。


「ほら、愛冬の大好きな深冬くん、こっち見てるわよ。」

「え?」


沙里に言われてそっちを向くけど、深冬くんは大森さんと話してるだけだ。


「はぁ~~~。」




「ん〜、私は結構脈あると思うけどね……。」



そんな沙里の言葉は聞こえていなかった。