クリスマスまでに君を

「あっ、ごめん愛冬ちゃん!」

「ううん。もう一回息を合わせていこう。」


息が合わずに少しの距離を歩くだけでも一苦労。


「あっっ!!!」

「わぁ!!!!」


二人でとうとう転んでしまう。


「いててっ。」


そんな声が聞こえて大森さんの方を向くと
ひざを抑えている痛そうに顔を歪めている大森さんが目に入った。


「だいじょうぶ!?」


慌てて大森さんのもとへ駆けつけるとともにズキンッと鋭い痛みがした。



「大丈夫!?保健室に「よしっ、今日のところはこれで終わりだ!
片付けが終わったところから解散!」


ちょうど終わって一緒に立ち上がって保健室へ向かった。


大森さんを支えながら歩くけど、私も怪我したみたい。

大森さんほどじゃないけどふくらはぎの横らへんを擦りむいてしまってる。


はぁ~、もうほんとついてない。

痛みをこらえながらどうにか歩いていた時、


「あっ、花と羽白さん。」


前から深冬くんが来て少しその愛しい姿をみて心が落ち着いた。

やっぱり好きだなぁ。大好き。


想いが溢れて笑みをこぼして名前を呼ぼうとした。

けど、そんなポカポカしたあったかい気持ちは突然暗闇へと落とされる。


「花、それどうした。」

「あっ、これ転んじゃった。」


深冬くんの目には大森さんしか映っていなくて、深冬くんは険しい顔をして顔を歪めていた。


「お前は小さい時から。全く……。
ほら保健室行くぞ。
羽白さんありがとう。」


ちらっとこっちを見て大森さんを支えて行ってしまった。


いつもの私の前にいる、深冬くんはいない。

この前は愛冬って呼んでくれたのに羽白さんだなんてなんて。


それにね、深冬くん。
私も怪我してるんだよ。

深冬くんの目には大森さんしか目に映っていなかったけど。



ねえ、深冬くん。

デートの日、お互いのこと知れて楽しかったのは私だけだった?
深冬くんの笑顔をたくさん見れたのは気のせい?

深冬くんへの思いは最初から一方通行のままだった?


私のことも見てほしいよ……。


ねえ、好きだよ。深冬くん。




ズキズキする足の痛みをこらえながら教室に戻った。