クリスマスまでに君を



あっ、深冬くんだ!


朝いつものように、誰よりも早く深冬くんを見つけるのだけれど………。


昨日のことがあって、深冬くんを見るといつも以上にドキドキしてしまう。


って、こんなんでドキドキして声かけられないなんてなんて情けないの!

クリスマスまでに深冬くんを落とすんだから!


よぉ〜しっ!!

頑張るぞぉー!!


赤くなってしまった顔をパチッンと叩いていざ、深冬くんの元へ!



「みっ、深冬くん!おはよ!
す、すっ好きです!付き合ってください!」


噛み噛みになっちゃったけど、言えただけいい!頑張ったぞ!私!


ていうか今までは赤くなりながらも真っ直ぐに思いを伝えれたのに、昨日のことがあってますます緊張しちゃう。


今も深冬くんの顔見れないし………。


いつもならここで「ごめんね。付き合うつもりはないんだ。」って言ってくるんだけど……。


「へぇ〜?
あんな─────……?」



っ!?



みんなに聞こえないようにかボソッと呟いた言葉はーー。


『あんな目に遭わされてまだ俺のこと好きなんだ?次は手加減しないって言ったけど大丈夫なのかなぁ?ねぇ、羽白さん?』


あぁぁぁーー!!
もうっ!かっこよさすぎだしっ!
甘い声に昨日のキス思い出すし!


で、でもっ!こんなところで負けちゃいかんのだ!負けるな。愛冬!深冬くんが好きなんだろ!!


「あっ、あれぐらいなんてことないよっ!
私深冬くんのこと大好きだから!
優しいところも、周りを気遣えるところも周りをみて動いてるところも。
昨日みたいな深冬くんも!
そ、それにいつもみたいに断らないってことは私と付き合ってくれるってこと?」


最後はニッコリと大人の笑み。


よしっ!完璧!


どうだ!


「ふっ。なんてことないんだ?

………ごめんね。羽白さん。誰とも付き合う気がないから。」


あ、戻った。

さっき私にコソッと言った時は、昨日みたいなイジワルな甘い顔してたのに、今いつもの深冬くんに戻っちゃった。


告白は、やっぱりダメかぁ。


ていうか、深冬くんって、実は



二重人格ってやつ!?


優しい王子様みたいな深冬くん。

口調と表情ががらりと変わるイジワルな甘い顔をした深冬くん。



どっちもドキドキするのは変わらないけど、




好きだって言う想いも変わらないんだ。