「ごめんなさい。好きな人がいます。」
「そ、そうですか。
わかりました。
キッパリ振ってくれてありがとうございます。」
男の子はスッキリした顔で去っていった。
優しい人で良かったな。
私はごめんなさいしちゃったけど
幸せになってほしいな。
おっと。こんなことしてる場合じゃない!
待ち望んだ、深冬くんとの時間だ!
楽しみにしながら急いで深冬くんの元へ向かった。
走ったらすぐに着いた。
中に入ると深冬くんがプリントをまとめる作業をしていて。
「深冬くんっ!」
嬉しくなって笑顔で声をかけた。
「遅くなってごめんね。
私もするよ。これとこれをまとめればいいの?」
深冬くんの隣に座りながら聞いた。
「うん、そう。付箋がついたやつはここにだって。」
綺麗なスラッとした指でカゴを指差す。
………心臓が異常なくらいに鳴ってる。
2人きりだ。
こんな時こそ深冬くんにいっぱい話しかけてアピールして好きになってもらいたい!
よしっ!頑張るぞ!

