それから3人でコーヒーを飲みながら話をした。
美紗都も桐山さんも終始穏やかな表情で、私の問いかけに、時折アイコンタクトを取り合う二人の姿がとても微笑ましく、私も幸せな気持ちになった。

「あっ、ちょっと失礼します」

桐山さんが携帯を確認する。どうやらメールのようだ。

「環奈さん、申し訳ありません。そろそろ失礼させていただきます」

何が急ぎの用でも入ったのだろう。

「はい。桐山さん、美紗都をよろしくお願いいたします。今日はお会いできて嬉しかったです。ありがとうございました」

「こちらこそ、末長く、よろしくお願いいたします。お時間をいただきありがとうございました」

「じゃあ、私たちは行くわね」

「ええ、気をつけて」

私はホテルを出る二人の後ろ姿を見送った。

『幸せになってね、美紗都』心の中で呟いた。