私はこの黒歴史を抱えながら生きている。

両親と三人で飛行機に乗って家に戻った後、両親も祖父母も、東京での出来事については一切触れなかった。
私のしでかしたことは、とんでもなく大きな事だったのだと痛いほどわかっている。

でも、時が経ち、令嬢の放った言葉が改めて脳裏に蘇った。

目障りなオランウータン

段々腹が立ってきた。
腹は立てど、あの令嬢たちの目にはそう映っていたのだ。それが事実。しかも、聡介のあの人を見下したような冷ややかな笑み。

悔しくて悔しくてたまらない。

私は考えた。これからもし、あの場にいた人達とどこかですれ違うことがあったとして、その時に絶対印象に残るような女性になろう。オランウータンではなく、奇麗で、オーラ全開。どこの令嬢?そう思われるように自分を磨こう。外見だけでなく、中身から。

そして私は決意した。野生児からは卒業だ。