「すみませーん。タイムリミットです。」
えっ?
直輝の手を振りほどき、桜の腕を別の誰かがつかんだ。
直輝の強さとは違う。優しい守るような強さだった。
「あんた誰?」
睨みつける直輝の先に立っている人に、桜は「嘘?」としか思えなくて、何度も瞬きを繰り返した。
だって……そこに立っていたのは……
「あー……神谷さんの学校の教師です。」
伊勢谷先生?なんでこんなところにいるの?
「はあ?何で先生がこんなところにいるわけ?」
相手の正体が分かっても食い下がらない直輝に、伊勢谷は落ち着くように、直輝の肩を叩いた。
「生徒指導部の活動の一環です。君が高校生の時もあったでしょう?見回りだよ、見回り。ちょっと学校に通報があってね。」
絶対にでまかせだと桜は思ったが、自分を守るように立つ伊勢谷の背中が頼もしくて、何も言わず伊勢谷の後ろで様子を伺った。

