「また一人で食べてんのー?」
三人が出て行ったのと入れ違いだった。
桜の周りの空いた椅子がガタガタと引かれて、桜からしたら図体の大きい男の子三人がそこに腰を下ろした。
「宮田くん……松田くんも。」
桜の横に成海が正面に猛が座っていたが、自分の斜め前に座る人が誰か、桜は小首をひねった。
多分、菫ちゃんのクラスの人。奇抜な髪だから間違いないはず。
「あ、こいつね安藤真尋。俺らと同中だったの。この学校で同中なのって、俺ら三人だけだから、なんか一緒にいると落ち着くってかさ。」
桜の疑問を読み取るように、猛が説明をしてくれた。
「一緒にいると落ち着くとか、キモいこと言うなよ。」
真尋は低い声で否定し、猛の脇腹を肘で小突いた。
「あはは。事実じゃん。俺は真尋のこと大好きだよ。」
ケラケラと成海が笑うと
「俺も俺も!大好きだよ!」
と、猛が乗っかってきたものだから、真尋は勘弁してと言いたげに頭を抱えていた。
「なんか可笑しい。」
桜はそんな三人を見て、笑わずにいられなくて声を漏らして笑ってしまった。

