意味不明!意味不明!
苛立ちをお腹に抱え、菫はグラウンドをアップで走っていた。
陸上部の練習に遅れてきた菫に、マネージャーの理沙が今日のメニューを差し出した。
「遅かったね。何してたの?」
理沙に尋ねられ、菫は伊勢谷のところに行って、その後に成海に絡まれたと言おうかと思ってやめた。
自分は成海のことなんて眼中にないけど、学校内には成海のファンは山のようにいる。伊勢谷のファンだって。
下手なことは言わない方が良い。それは、中学までに学んだことだ。
「練習してくる。」
菫は理沙にスポーツドリンクやタオルなど、自分の荷物を預けて、同じ短距離選手のいるグラウンドに向かった。

