「俺は全然いいっすよ。」


そう安藤が口にすると、他の男の子も渋々と言った感じで頷きあった。


男の子の中で安藤の発言力は上位を占めている。肉食獣のような鋭い目付きと、あの一般人ではなかなか勇気のいる髪のせいだろうが。普段、あまり発言はしないが、会が長引きそうな時には声を上げるタイプだった。


「じゃあ、男子も文句なしみたいだから、決まりだね。」


伊勢谷はニヤリと笑うと、菫に目配せした。その合図に菫は背筋をピンと張らした。


先生が助けてくれた……ちゃんとクラスをまとめなきゃ。


「そ、そしたらアリスのコスプレでカフェで。何を出すかはこれから詰めていくとして……」

「菫、私なんでもするからね。」


理沙がすぐさま菫に返事を返してくれる。


それを皮切りに


「私も!」

「私もやるよ!委員長!」


と、女の子は菫を慕い一致団結して協力体制を見せてくれる。


問題は男の子だ……菫には男の子をまとめる力はない。
もともと男の子とはあまり喋らないし、まだ出会って1ヶ月半で相手のことも分からない。