桜にとって新しい高校生活は、中学校のように順風満帆ではなかった。


無理して入学したため、勉強についていくのは大変だった。


中学校で仲良かった子は、ほとんど違う高校に進学したため、友達作りも一からだった。


そんな時、自分が人より可愛く生まれてきたことに感謝した。


人見知りで知らない人になかなか声をかけられない桜だったが、その容姿から自然と前や隣の席の子に話しかけてもらえ、そのまま仲良くなることができた。


しかし、心から本音が言えるかというと、桜にとってそれはまた別問題ではあったが、友達になってもらえたのだから、細かいことは考えないと決めていた。


それに、このクラスはクラス全体の仲も良い。宮田くんがクラス全体をまとめてくれているおかげだ。


宮田くんは、いつも明るくて、誰といても会話を途切れさすことはない。クラス全員でカラオケやご飯に行く計画も立ててくれる。


控え目でそういうのが苦手っていう子にも、間に入ってみんなとの仲を取り持ってくれる。


桜は成海とは面識があったので、同じクラスになって、最初に成海から話しかけてもらえて、知らない人ばかりのこのクラスでも1年間頑張れそうと思えたのだ。