マフラーをたなびかせ歩く君。




あの時に君は言った。




「バーバリーのマフラーほしい。」




「どんなの?紺のやつ?」



「うーうん。おうどいろのやつ。」




久しぶりに街の中でふいに見た君のマフラーは白と黒のチェック柄。





大人びた背中。





時を感じた。





ただただ時を感じた。





次があるならば次は何色だろう。




想像する事もできず、あげる事のできなかったマフラーを今も心にしまい込む。