でも、伊吹と再開したのはその1年後。
伊吹の葬式の時だった。
「そういえば、俺の友達がお前の友達と同じ署で働いてるんだけど、その人が自殺したらしい」
「名前は?」
「えっと、確かいぶ、き?とか言ってた気がする」
他のやつらの会話から聞こえてきたその言葉。
頭を鈍器で殴られたような衝撃が襲う。
いつもニコニコしていたあいつが、自殺?
ありえない、
ありえない。
絶対ありえない。
伊吹なんてありふれてる名前だよな。
その署に伊吹という名前の警察官は1人しかいないはず。
でも、
そう思うことでしかあの時の俺は自分を保てなかったんだ。


