この台詞を口にするのは本当に勇気が必要だった。いくら自分が「演劇は趣味」と割り切っていても、小説家志望の女の子に現実逃避を自覚させ、夢を諦めさせるのは酷だと今でも思う。
それでも、私は「結末」を描いてみたかった。
ユメは小説を結末まで書き上げると、すっきりとした笑顔でヒロに告げた。
「今までありがとね」
そして原稿用紙の束を彼の手に握らせる。我ながら身勝手な別れの挨拶である。
「小説を書くのは、これでおしまい」
「……どうして?」
ヒロからの問いに、台詞は既に決まっているのに答えに困る。
「結末が欲しくなったから、かな。いつまでもこのままじゃいけないって、私が思っていたんだからヒロだって分かっているでしょう?」
「でも、無理に今決めなくてもいいじゃないか。この小説だって、せっかく仕上げたんだからどこかに応募するんだろう?」
ユメはゆっくりと首を振った。いつの間にか彼女は、自分の夢にケリをつけるために最後の原稿を書いていた。
「私はいい加減大人になるって決めたの。だからもう小説を書いている場合じゃないの」
「夢を諦めることが大人になることじゃないだろう」
「そうなんだけどね」
「もしプロになれなくたって、書くことをやめる必要はないだろう」
「それも分かっているんだけどね」
それでも、私は「結末」を描いてみたかった。
ユメは小説を結末まで書き上げると、すっきりとした笑顔でヒロに告げた。
「今までありがとね」
そして原稿用紙の束を彼の手に握らせる。我ながら身勝手な別れの挨拶である。
「小説を書くのは、これでおしまい」
「……どうして?」
ヒロからの問いに、台詞は既に決まっているのに答えに困る。
「結末が欲しくなったから、かな。いつまでもこのままじゃいけないって、私が思っていたんだからヒロだって分かっているでしょう?」
「でも、無理に今決めなくてもいいじゃないか。この小説だって、せっかく仕上げたんだからどこかに応募するんだろう?」
ユメはゆっくりと首を振った。いつの間にか彼女は、自分の夢にケリをつけるために最後の原稿を書いていた。
「私はいい加減大人になるって決めたの。だからもう小説を書いている場合じゃないの」
「夢を諦めることが大人になることじゃないだろう」
「そうなんだけどね」
「もしプロになれなくたって、書くことをやめる必要はないだろう」
「それも分かっているんだけどね」
