勢い断言すると、彼はくすくすと笑い出した。
「いいね。でもそこまで言える深雪なら、一人でも企画を引っ張るだけの力はあると思うな」
ひとしきり笑った後、勇也さんはまた貴博さんに視線を戻した。
「疑問は解決した?」
「え?」
「泥沼でも現実逃避でもウチの脚本家は上等だと思っているから、大人の常識なんか一旦忘れて、貴博くんはヒロとして全力でユメを応援してあげればいい」
創作論から演技指導へ、いつの間にか軌道修正が入る。
自分で自分を信じられなくなっているユメにとって、唯一自分を信じてくれるヒロはやはり救いであってほしい。という私の願いを、先輩はよく汲み取ってくれている。
「……つまり、今みたいな疑問を挟むこと自体、ヒロからすればナンセンスなんだよな。あいつはユメのことしか見てないんだから」
そしてそれが貴博さんにも伝わっていることに、私は大いに安堵した。
結局のところヒロは純粋でまっすぐでいい男なのだ。と、お客様にも魅せることができたなら――なるほど、彼の勝ちかもしれない。
「あと、もう一つ気になったんだけど」
「何?」
貴博さんは私と勇也さんを交互に見つめながら尋ねた。
「二人って付き合ってるの?」
「!?」
控えめに言って、私は面食らった。
「な、何でそうなるの?」
「そりゃ――」
彼が答える前に、勇也さんがスッと私の背後に回って肩を抱き寄せる。
「え?」
「いいね。でもそこまで言える深雪なら、一人でも企画を引っ張るだけの力はあると思うな」
ひとしきり笑った後、勇也さんはまた貴博さんに視線を戻した。
「疑問は解決した?」
「え?」
「泥沼でも現実逃避でもウチの脚本家は上等だと思っているから、大人の常識なんか一旦忘れて、貴博くんはヒロとして全力でユメを応援してあげればいい」
創作論から演技指導へ、いつの間にか軌道修正が入る。
自分で自分を信じられなくなっているユメにとって、唯一自分を信じてくれるヒロはやはり救いであってほしい。という私の願いを、先輩はよく汲み取ってくれている。
「……つまり、今みたいな疑問を挟むこと自体、ヒロからすればナンセンスなんだよな。あいつはユメのことしか見てないんだから」
そしてそれが貴博さんにも伝わっていることに、私は大いに安堵した。
結局のところヒロは純粋でまっすぐでいい男なのだ。と、お客様にも魅せることができたなら――なるほど、彼の勝ちかもしれない。
「あと、もう一つ気になったんだけど」
「何?」
貴博さんは私と勇也さんを交互に見つめながら尋ねた。
「二人って付き合ってるの?」
「!?」
控えめに言って、私は面食らった。
「な、何でそうなるの?」
「そりゃ――」
彼が答える前に、勇也さんがスッと私の背後に回って肩を抱き寄せる。
「え?」
