結局、剥き出しの上半身をもてあそばれているうちに、腰にかかった手が下へ下へと滑り落ちていくことを許してしまった。
 されるがままに裸になった私を貴博さんが上気した表情で見つめている。
「あんた、ホントにいい女だよな」
「へ?」
「ああもう、全部欲しい」
 露わになった身体の中心へ彼の手が伸びていく。あられもない欲望で既にとろけきっていたそこを擦られると、泣きたいくらい気持ち良かった。
「いや、あ、あん」
 目の前の男に縋りつく。
 ぴたりと身体を寄せると、彼の心臓も私と同じように早鐘を打ち、その身には堪えがたい欲望が渦巻いていることが図らずも感じられた。
 熱を帯びた視線がかち合うと、彼の指が、舌が、一層激しく動く。
「待って、ああ」
 とっさに脚を閉じようとしたが、抱き合った時点でほぼほぼ身動きは封じられている。全てを見られた状態で、容赦ない愛撫が続く。
「やだ、貴博さん……」
 思わず名前を呼ぶと、唇を塞がれた。貪るようなキスをしながら、彼の手がひたすらに甘い快楽を引き出していく。
「ごめ……待てない」
 小さな尖りを執拗に責められ、全身が燃えるように熱くなる。
「だ、だめ」
 キスとキスの間に、無意識にそう呟いていた。果てしない快感から反射的に逃れようとするも、形ばかりの抵抗は簡単に押さえ付けられてしまう。